猊鼻渓は岩手県一関市に位置する、日本百景のひとつにも数えられる風光明媚なスポットです。高さ50mを越える断崖絶壁に圧倒されながらのゆったりとした舟下りはどこか神秘的で、まるで別世界にでも来ているような感覚を覚えます。

猊鼻渓舟下りは魅力がいっぱい
北上川支流の砂鉄川が石灰岩を浸食し、約2kmにわたって形成した深い谷が猊鼻渓です。
渓谷を流れる砂鉄川の流れは緩やか、水はとてもきれいで魚もちらほら見受けられます。
これほどのダイナミックで美しい景観をもつ猊鼻渓は、明治時代まで名前もない秘境だった、というから驚きです。
自然と一体、心癒される舟下り
広くて平らな木の舟を、船頭さんが一本竿で巧みに漕いで川を進みます。
絶景を見上げながら、船頭さんのトークと情緒あふれる歌(げいび追分)を聞きながら
至福の時間が流れます。
川の流れはゆったりとしていて、急流の舟下りのようなハラハラ、ドキドキ感はないので、
私のような泳げない者でも安心して楽しめます。
往復約90分の、心癒される舟旅です。
アトラクション1
途中、毘沙門天が祭られている毘沙門窟という洞窟があります。
手前に設置されているお賽銭箱にお金を投げ入れ、入れば幸せの音がするらしいです。
幸せの音ってどんな音かな?
アトラクション2
舟の折り返し地点で下舟し、そこからさらに奥まで散策できます。
最後に待っているのが運玉投げです。
川の対岸の岩肌にぽっかり空いている穴に運玉を投げます。
見事入ったら願いが叶う、というアトラクションです。
運玉は、福、寿、愛、などの文字が書かれており、5個100円で売られています。
因みに私は全く届かず…。
願いは到底かないそうにありませんでした。
近くで投げた人が見事に穴に投げ入れた時には、周囲にいた人達も拍手!
☆猊鼻渓の石灰岩がどこから来たのか気になったのでちょっと調べました。
猊鼻渓のある一関長坂地域は石炭系(石炭紀に堆積した地層)の竹沢層から成り、主としてサンゴを含む石灰岩でできている。
また、この地域を含む南部北上帯(北上山地、早池峰山を境に南側)は、5億年前赤道付近にあったゴンドワナ超大陸北縁の沈み込み帯が形成の基盤となっている。
南部北上帯はペルム紀まで赤道近辺に位置していたが、その後プレートの移動により超大陸から分離、北上し始めた。
ジュラ紀末、ユーラシア大陸東縁で北部北上帯(北上山地、早池峰山を境に北側)と合流し現在の北上山地の土台となる。
<参考図書、及び参考サイト>
- 日本列島5億年史
- 最新東北の地質 岩手県の地質
- YamaReco 日本の山々の地質
まとめ
訪れたのは夏でしたが、春夏秋冬どの季節もそれぞれの風情を味わえそうです。
長い長い時間をかけてその場所にたどり着いた石灰岩がさらにまた長い時間をかけて浸食作用を受け、今の美しい姿を見せている猊鼻渓、そこを流れる川をゆっくりと舟下り。
すっかり魅了されてしまいました。また訪れたいです。
一関市には猊鼻渓の他にも、こちらも有名な景勝地、厳美渓があります。猊鼻渓から車で40分程。
日本最古の鍾乳洞と言われる幽玄洞は猊鼻渓から車で5分以内です。
また、石と賢治のミュージアムも猊鼻渓から車で約5分です。
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