
そこに存在するだけで、気持ちがほっこりする可愛い辞典です。
鉱物は写真ではなく、柔らかいタッチで描かれた素敵な石のイラストが使用されています。
鉱物の名前の由来や歴史、化学的、物理的性質などに興味がある方におすすめです。
本の基本情報
タイトル:STONE DICTIONARY 石の辞典
文 :矢作ちはる
絵 :内田有美
発行 :雷鳥社
手のひらサイズで、軽くて見やすいです。
著者の矢作ちはるさんが初めて石に興味を持ったのが小学1年生の時だったそうです。
あとがきに、ご自身の石探しの旅についてもさらっと書かれています。
本から学べること
115種類の鉱石について、名前の由来、化学的物理的特性など一まとめに学習できます。それぞれの鉱物につけられたタイトルにも注目です。
名前の由来、歴史
鉱物がどうしてそのような名前になったのか。
歴史的にはどのような象徴とされてきたか。
伝説、神話なども盛り込まれています。
鉱物の発見場所、でき方
鉱物がどこで生成されるのか(例えばペグマタイト中、石英脈中、晶洞の内側など..)。
またどのように生成され、どのような状態で発見されるのか、興味深い内容となっています。
化学的、物理的性質
鉱物の主成分、含有する微量元素による色の違いなど。
長く空気に触れた時の取り扱い注意点、熱や乾燥による変化。
結晶の特徴、電気的性質などの化学的、物理的基本特性について。
用途
加工性などにおいて宝飾品に向くかどうか。
工業的用途(建築資材、触媒、顔料..)について。
漢方薬としての効果など。
その他、鉱物を知るというコラムが途中織り込まれていて、鉱物の光沢、条痕、結晶、群晶、和名、宝石の伝承などについて説明がなされています。
読んでみて…
115種類の鉱物に関する基本的な性質、特徴などがおおよそわかるようになります。
個人的には、どのような場所でどのように生成されるかに興味を持ちました。
また、含有する微量元素による色の違いも面白いです。
そして素敵なイラストの現物を実際に見てみたいと感じた、と同時に石ってそれぞれ個性があって本当に魅力がいっぱいだな、もう少し知りたいな、と思いました。
なぜかここでふと頭に浮かんだフレーズが、
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって みんないい 金子みすゞ
今回最初から順番に見ていきましたが、辞典なので石を検索して調べる場合も調べやすいように良くできています。
鉱物はモース硬度が低い順(柔らかい順)に記載されていて、115番目最後はダイヤモンドです。
鉱物の名前からもちろん検索できますが、イラストの縮小版がindex のvisual版としてずらーっと載っていて、色、外見からも検索できるようになっていて便利です。

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